本書がファンタジーであることを知らずに手に取りました。初めからファンタジーであると知っていたら手に取ったかどうか怪しいところです。なぜなら私はファンタジー小説が苦手だからです。マンガのファンタジーは結構読んでいます。私の文章読解力や想像力が不足していることが原因と思われます。
しかし、結構なスピードで作品世界に引き込まれながら上巻を読み終えました。面白かったと言うことです。今朝朝ご飯前に上巻を読み終わり9時に図書館が開くと同時に下巻を借りてきました。そう時間をかけずに下巻も読了しそうです。
ファンタジー作品は世界観が様々です。SFなどの作品もそうですが、まず世界観に慣れなくてはなりません。この「ブレイブ・ストーリー」では現実世界から話を起こし、ファンタジー世界はRPGの世界観を借用することで世界観を簡潔に説明しています。作者の宮部みゆきさんはきっとRPGが好きなのだろうと言うことが伝わってきます。私はゲームをしなくなって10年以上経ちます。ゲームに時間をかける暇がなかった訳ではありません。やろうと思えばやれるだけの余暇はありました。ただ、現実世界で起きる様々な出来事が私の心を支配していて、非現実的な世界に心を持っていくことが出来なくなったからです。ネットカフェに籠もってマンガを読み耽ることは多々あります。12時間ぶっ続けでマンガを読むことも厭いません。それはネットカフェに足を運ぶこと、その行為が、異世界への足がかりになっているからでしょう。この「ブレイブ・ストーリー」は家にいながらにして、ここではない世界に私を連れて行ってくれました。折角世界観に飲み込まれたのですからそのままの勢いで下巻も読み終わりたいと思います。
現実世界では目を背けたくなること、逃避したいこと、嘘であって欲しいことばかりです。孤独に生きる人間は現実から逃げることはできません。逃げ出したら自分の力ではもう戻ってこれないからです。現実から逃げず、淡々と日々を送ること、それが生きていくということに直結しています。100%逃げない訳ではありません。所々で逸脱しています。それが修正が効く範囲内に限って。そういう生活を初めて10年以上経ちました。私の立ち位置はどんどん世界の端っこの方へ端っこの方へと押しやられています。まだ、崖っぷちまでは達していませんが時間の問題でしょう。その時は粘れるだけ崖っぷちで粘ってみます。いつかその崖から落っこちる時が来ても正気を保ったまま落っこちていきたいと思います。
クソ暑い部屋に一人でいると空想が過激になります。良くないことですね。
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