中村文則さんの15冊目の作品です。
中村文則さんはこの「教団X」に出てくる教祖のようなキャラクターが好きなのでしょうか。他の作品にも類似のキャラクターが出てきます。悪の象徴として使い回しているのかもしれません。この「教団X」には主人公は存在しません。最初と最後に出てくる楢崎が主人公だと思っていましたが、あまり主人公らしいことはしません。立花涼子の方が主人公らしく活発に動きます。しかし、それでも主人公と言うには、なにか足りません。様々な視点から物語を構成することで、読者の作品への取り組み方を変えさせて、多様な角度から物語を読ませるのが作者の狙いなのでしょうか。わかりません。もしかすると、登場人物の誰かに感情移入して読まれるのを嫌ったのかもしれません。
私は、夜寝る前にベッドの中でこの本を読みました。文庫版ではなく単行本で読みました。600ページ弱のかなり分厚い本なのでハンドリングが悪く、やや読みにくかったです。読むなら文庫版の方が良いと思います。文章自体はこなれていて、非常に読みやすいと思います。
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